【2024年度版】介護サービス利用の流れと介護保険サービスを利用する前に知っておきたい情報

介護サービスを利用するには、正しい手順を踏むことが求められます。スムーズに進行すれば、申請から利用開始までおよそ1~2か月で手続きが完了します。必要なステップを理解することで、介護サービスをより効果的に活用することが可能です。

本記事では、介護サービスを利用開始までの流れを詳しく解説します。

介護サービス利用の流れと介護保険申請に必要な情報の把握

介護サービスを利用する際には、手続きの中で以下の単語が頻繁に登場します。これらの単語の意味をあらかじめ理解しておくことで、サービスの流れを把握しやすくなり、担当者との会話もスムーズに進められます。

介護保険制度介護が必要な人に対して費用の一部を保険で負担する制度
要介護認定第三者が行う判定。要介護認定の介護度で利用できるサービスや自己負担額が変化する。
ケアプラン要介護認定を受けた後、必要とされるサービスをまとめたもの。定期的な更新が必要。
介護サービス訪問介護、デイサービス、ショートステイなど。施設介護を含むさまざまなサービスがあります。

介護保険の対象者と仕組み

介護保険は、65歳以上の高齢者や40歳以上で特定疾患を抱える人を対象とした制度で、介護が必要と判断された際に支援を受けられる仕組みです。利用者は介護保険料を負担し、必要に応じてサービスを利用することが可能です。

この制度の流れは、まず市区町村で要介護認定を受け、その後ケアマネージャーと連携してケアプランを策定します。そのプランに基づき、訪問介護やデイサービスなど、適切なサービスを選択して活用します。利用者は、保険料に加えてサービス費用の一部を自己負担する形でこれらを利用できます。

介護保険で申請できるサービス

介護サービスを利用するとさまざまなサービスが使えます。主なサービスは4つです。

  • 訪問介護
  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 福祉用具のレンタル

介護サービスは、利用者が自力で長く生活を続けるために提供されるもので、複数のサービスを組み合わせて利用することが可能です。必要な手順を理解することで、より効率的かつ賢く介護サービスを活用できます。また、人に依存するのではなく、自分のことは自分で行おうとする姿勢が、利用者の尊厳を守ることにつながります。

STEP1|介護保険サービスを利用する流れ 

介護サービスを利用するための申請手順は以下の通りです。申請からサービスが利用可能になるまでには、通常1~2か月程度かかります。そのため、利用を希望する場合は、余裕を持って手続きを進めることをお勧めします。

申請書提出

市区町村の窓口にて、介護保険の申請書を提出します。

介護保険サービスを利用できる対象者は65歳以上の高齢者や、40歳から64歳までの人は、介護保険の対象となる特定疾病により介護が必要と認定された場合

必要書類の提出

申請書に加えて、本人確認書類や医師の診断書を提出します。

申請受付

市区町村が申請内容を確認し、認定調査の準備を進めます。

認定調査

市区町村職員やケアマネージャーが自宅に訪問し、日常生活の様子をみます。

申請窓口と必要書類の準備

申請窓口は、居住地の市区町村にある介護保険課の担当窓口で受け付けています。役所や区役所、あるいは地域包括支援センターが申請先となります。申請場所がわからない場合は、協働センターなど身近な地域の相談窓口や、すでに介護サービスを利用している人に尋ねるとよいでしょう。

必要書類

申請書市区町村で配布される申請書に記入します。
本人確認書類健康保険証や運転免許証など。
医師の診断書必要に応じて、介護が必要な状態を示す主治医による診断書が求められます。
住民票市区町村により要求される場合があります。

これらの書類を準備し、申請窓口に提出します。

申請には、介護保険被保険者証が必要です。
40~64歳までの人(第2号被保険者)が申請を行なう場合は、医療保険証が必要です。

※厚生労働省 サービスまでの流れ

要介護認定の調査

書類提出後は、第三者による要介護認定が実施されます。市区町村の職員やケアマネージャーが自宅を訪問し、日常生活の状況や健康状態を詳しく確認します。この際、家族も同席することで、ケアプランに必要なニーズをより正確に把握することが可能です。

認定調査では、全部で74項目が評価されます。主に利用者の日常生活動作、例えば身体の動きや食事、排泄などが調査の中心となります。また、既往歴や現在抱えている問題について質問されることもあります。利用者自身が身体に不自由を感じていなくても、家族や第三者の視点からは危険が見受けられる場合があります。特に、認知症が原因で本人に自覚がないケースもあるため、認定調査の際には、家族が介助や見守りの必要性を具体的に伝えることが重要です。

参照元:厚生労働省 認定調査員テキスト

STEP2|要介護度とは?要介護認定の結果と区分の確認

要介護認定の結果は、申請者の健康状態や日常生活の自立度をもとに決定されます。認定結果には「要支援1・2」や「要介護1〜5」などの区分があり、数字が大きいほど介護の必要性が高い状態を示します。

この決定は介護認定審査会によって行われ、結果は市区町村から通知されます。通常、申請から1〜2か月程度で通知が届きます。

「要支援」とは、軽度の支援が必要な状態を指し、要介護状態になる前に予防的な措置が取られる段階です。一方、「要介護」は、日常生活においてより多くの介護が必要な状態を意味します。この認定結果に基づき、適切な介護サービスが計画され、提供されます。

要支援・要介護の違い

「要支援」と「要介護」は、介護が必要な度合いを表す区分です。

要支援軽度の支援が必要な状態。主に、日常生活の一部で支援が求められるが、自立している部分も多い。デイサービスや訪問介護など、軽いサポートが中心。
要介護日常生活全般にわたって支援が必要な状態。要介護1〜5の区分があり、要介護が進むほど、訪問介護、ショートステイ、施設入所など、より被保険者に対して集中的な介護サービスとなる。

区分に応じて、サービス内容や提供される支援の強度が異なります。

要介護認定結果の通知と異議申し立て方法

要介護認定の結果は、市区町村から通知されます。この結果は、介護認定調査員が行った調査資料を基に、介護認定審査会で決定されたものです。通知には「要支援」や「要介護」の区分が記載されており、通常は申請から1〜2か月程度で届きます。通知内容に不満がある場合には、異議申し立てを行うことが可能です。

異議申し立ては、原則として処分があったことを知った翌日から3か月以内に、市区町村の介護保険担当窓口に申請します。この際、具体的な理由や再調査を求める内容を明記し、必要に応じて医師の意見書を添付することがあります。再調査の結果を基に、新たな認定が実施されます。

介護予防の重要性と取り組み方

介護予防は、要支援や要介護状態になる前に健康を維持し、日常生活の自立を促進するための重要な取り組みです。特に「要支援1・2」に該当する方には、身体機能の維持や認知症予防を目的としたデイサービスや運動プログラムが提供されます。定期的な運動や社会参加は、心身を活性化させ、介護度の進行を抑える効果が期待できます。自治体や地域で実施される介護予防事業に積極的に参加し、生活の質をさらに向上させましょう。

参照元:厚生労働省東京都福祉局

STEP3|ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう方法

利用者はケアマネージャーに依頼し、面談を通じて生活状況や希望を伝えます。その情報をもとに、利用者に最適な介護サービスが提供されるよう、ケアプランが策定されます。

ここからは、ケアマネージャーの役割について詳しく説明します。

ケアマネージャーとは?介護相談のプロフェッショナル

ケアマネジャーとは、介護保険を利用したサービスの計画を立案する専門職です。介護支援専門員とも呼ばれ、認定結果をもとに、家族から今後の生活に関するニーズを丁寧に聞き取ります。そして、適切なサービスを選定し、利用者が安心して生活を送れるよう支援することが主な役割です。

ケアマネジャーは、介護施設の利用や訪問介護、福祉用具の導入など、多岐にわたる提案を行い、必要に応じて関係機関との調整も担います。高齢者やその家族にとって、生活を支える心強いパートナーとしての存在感が大きい専門職です。

ケアマネジャーの役割と選び方

ケアマネジャーは、利用者の状況を的確に把握し、家族のニーズを確認したうえで、介護を少しでも楽にするための窓口として、事業所やサービス担当者をつなぐ役割を担っています。ケアマネジャーがいなければ、介護サービスを利用することはできません。

この職業は、専門資格を持つ人だけが従事できるもので、利用者との相性や地域の特性を理解していることが非常に重要です。地域包括支援センターや介護事業所からの紹介に加え、自分で選ぶことも可能です。

一度担当のケアマネジャーが決まると、特別な事情がない限り変更は難しいため、長期間の支援を考慮して、対話しやすい相性の良いケアマネジャーを選ぶことが大切です。

ケアプランの作成とサービス提供事業者との調整

ケアプランの作成では、ケアマネジャーが利用者のニーズに基づき、必要な介護サービスを選定します。例えば、利用者が「床からの立ち上がりが難しい」と相談した場合、介護度や生活空間に応じて、手すりを設置するリフォームや福祉用具の立ち上がり補助具を提案することがあります。そして、ニーズに適したサービスが見つかれば、その事業所と利用者をつなぎます。

訪問介護やデイサービスを希望する場合も、事業所の空き状況や介護度を考慮したうえで、適切な施設を紹介します。利用者は、カタログやインターネットを活用して施設の雰囲気を確認し、希望すれば直接体験することも可能です。

ケアマネジャーは業者と連携し、サービスが円滑に提供されるよう調整を行います。また、サービス開始後も、ケアマネジャーは定期的にサービスの質を見直し、必要に応じてプランを再調整します。

「まだ介護は必要ないのでは?」と考える家族もいるかもしれませんが、早めに介護保険の申請をしておくことで、介護が必要になる前の段階で適切な支援やサービスを受けることが可能です。例えば、専門家によるアドバイスや、リハビリ・運動指導を受けることで、介護状態への進行を予防する効果が期待できます。

ケアプランの有効期限

ケアプランには、新規発行から6か月の有効期限が設定されています。有効期限を過ぎると、必要な介護サービスを適切に受けられなくなる可能性があるため、期限前に更新手続きを行う必要があります。更新時には、利用者の体調や生活状況、介護の必要度を再評価し、それに応じてプランの内容を調整します。

STEP4|介護サービス利用開始の準備

介護サービスを利用する際、利用者はケアプランに基づいたサービス事業者と契約を結びます。サービス開始前には、担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員が利用者および家族とともに提供内容を確認し、必要に応じて適切な福祉用具を手配します。

さらに、家族や介護スタッフとの連携を強化し、サービスが円滑に提供されるよう努めます。サービス開始後も、ケアマネジャーは利用者の状況を定期的に見直します。その際、必要があればケアプランの再調整を行い、長期的に利用者の生活を支え続けます。

サービス利用契約と費用の確認方法

介護サービス利用契約では、提供されるサービスの内容、頻度、利用料金などを事業者と一緒に確認します。契約書には、サービスの種類や利用時間、利用者の責任などが明記されており、内容を十分に理解したうえで署名することが大切です。

費用の確認方法としては、自己負担額や介護保険からの給付額をしっかり確認する必要があります。特に高額なサービスを利用する場合は、上限額や払い戻し制度についても事前に調べておくことが求められます。

利用開始までに家族で準備しておきたいこと

介護サービスの利用を開始する前に、家族が以下の準備をしておくとスムーズに進められます。まず、家族は利用者の現在の生活環境を把握し、住まいで長く生活を続けるために必要な福祉用具や介護用品を確認し、必要に応じて手配します。

次に、ケアマネジャーと密に連携を取りながら、サービス提供事業者や居宅介護支援事業所との契約内容やスケジュールを共有します。また、家族内で介護の役割分担を明確にし、全員で情報を共有しておくことが重要です。

サービス開始後は、家族が進捗状況を適宜確認し、必要に応じてケアマネジャーがケアプランの見直しを提案することがあります。

介護保険の自己負担割合は1〜3割

65歳以上の方が介護保険を利用する際の自己負担割合は、所得などの条件に応じて1~3割と定められています。例えば、自己負担割合が1割の場合、介護サービスの利用料金が1万円であれば、1,000円を自己負担として支払うことになります。また、40歳以上65歳未満の方は、一律で1割負担となります。

介護保険では、要介護度に応じた支給限度額が設定されています。この限度額を超えた分については、全額が利用者の負担となるため注意が必要です。

介護保険の負担を減らす方法

介護保険の自己負担額を軽減するためには、『負担軽減制度』を活用する方法があります。負担軽減制度とは、低所得者向けに設けられた軽減措置を申請することで、高額介護サービス費用の払い戻しを受けられる制度です。また、月々の自己負担が一定額を超えた場合、その超過分が還付される仕組みも含まれています。

それでも負担が大きいと感じる場合は、ケアプランの更新をケアマネジャーに相談することを検討しましょう。

参照元:厚生労働省 低所得者に対する介護保険サービスに係る利用者負担額の軽減制度事業

まとめ

介護サービスを利用するまでのプロセスは、申請から利用開始までの4つのステップを順にクリアして進めます。申請がスムーズに進行すれば、約1~2か月で介護サービスの利用を開始することができます。

最初のステップは、介護保険の申請を行い、要介護認定を受けることです。認定が下りたら、利用者の状況を把握し、その中から必要なサービスを選定して、ケアマネジャーと共にケアプランを作成します。

次に、ケアマネジャーがサービス提供事業者との契約を締結し、必要書類を記入・提出した後、実際のサービスが開始されます。ケアプランは定期的に見直すことで、利用者が長く自立した生活を続けられるようサポートします。

ケアマネジャーは、利用者の余生を見守る大切なパートナーです。話しやすく、困ったときに要望をしっかりと届けられるケアマネジャーを選ぶことをおすすめします。

参照元:厚生労働省 介護保険とは

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