【介護予防小規模多機能型居宅介護】要支援1・2の方に向けた地域密着型サービスを紹介

「住み慣れた家で、いつまでも元気に過ごしたい」そんな願いを叶えるために介護予防小規模多機能型居宅介護というサービスがあるのをご存知ですか?

このサービスは、通い、訪問、宿泊の3つのサービスを組み合わせ、一人ひとりの状況や目的に合わせて柔軟に支援をするのが特徴です。高齢の方が、住み慣れた自宅や地域で自立した生活を営むためのサポートをします。

そこで、本記事では介護予防小規模多機能型居宅介護について、サービス内容や利用方法を詳しく説明します。メリット・デメリットなどを把握し、ぜひご自身やご家族の介護の参考にしてください。

要支援1・2が対象の介護予防小規模多機能型居宅介護とは

このサービスは、要支援1または要支援2の方を対象とした介護サービスの1つです。現段階で、日常生活上で介護が必要ない元気な方でも利用可能です。

サービスを利用することで、高齢者が要介護状態になることを防ぎ、可能な限り自宅で自立した生活を送れるよう支援しています。介護保険における予防給付の対象で、市町村が指定・監督を行う「地域密着型介護予防サービス」に位置づけられています。

※予防給付とは
要介護状態になることを防ぎ、自立した生活を長く続けるためのサービスを受ける際に、利用者が負担する費用の一部が介護保険から支給される制度のことです。

利用者の選択に応じて、通い・訪問・宿泊の3つのサービスを、柔軟に組み合わせて利用します。

小規模多機能型居宅介護との対象者と目的の違い

小規模多機能型居宅介護とサービス内容や利用方法に大きな違いはありません。しかし、対象者や目的が異なります。

介護予防
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護
対象者要支援1〜2の方が対象要介護1〜5の方が対象
利用目的・要介護状態になることを防ぐため
・自宅で自立した生活を継続できるようにするため
・地域社会とのつながりを持ち、孤独を防ぐため
・家族の負担を軽減するため
・要介護度が上がっても在宅での生活が継続できるようにするため

上記の表のとおり、介護予防小規模多機能型居宅介護は、要支援1または2の方が対象です。早期にサービスを受けることで、要介護状態になることを予防し、自立した生活を長く続けることができます。

一方、小規模多機能型居宅介護は要介護者が対象です。要介護状態にある方が、可能な限り自宅で自立した生活を送れるように支援することを目的としています。

2つのサービスは、共通して「できる限り自宅で自立した生活を送るため」という目的があります。

利用者の選択に応じて組み合わせ可能な3つのサービス

介護予防小規模多機能型居宅介護は、「訪問(ホームヘルプ)」「通い(デイサービス)」「宿泊(ショートステイ)」の3種類のサービスに分けられます。利用者はサービスの内容を十分理解したうえで、自身の希望するサービスを組み合わせて利用していきます。

それぞれのサービスの内容を詳しく見ていきましょう。

訪問(ホームヘルプ)

訪問(ホームヘルプ)は、利用者の自宅に介護訪問員が訪問し、身体介護や日常生活の援助を行うサービスです。利用者の状態に合わせて、必要な支援を行います。

身体介護・・・食事、入浴、排せつ 等
生活援助・・・洗濯、掃除、調理 等

訪問介護は、利用者の自立支援を目的としているため、利用者ができることは自分でしていただき、できないことを支援するという考え方に基づいています。訪問介護員は、利用者の残存能力を活かしながら、安全に配慮して日常生活の支援を行います。

通い(デイサービス)

通所(デイサービス)は、利用者が事業所に通い、日中の活動や交流、機能訓練などを行うサービスです。事業所での入浴や食事の提供、健康チェックなども行われます。

通所介護では、利用者の心身の状態に合わせたプログラムが用意されており、機能訓練や趣味活動、レクリエーションなどを通じて、心身の維持・向上を図ることが可能です。また、他の利用者との交流を通じて、社会性の維持・向上も期待できます。

宿泊(ショートステイ)

泊まり(ショートステイ)は、利用者が事業所に宿泊し、夜間の介護や見守りを受けるサービスです。日中は通所介護と同様のサービスが提供され、夜間は安心して休んでいただけるよう支援します。

泊まりは、家族の負担軽減や利用者の心身の状態の維持・向上が目的です。例えば、家族が病気や出張などで一時的に介護ができない場合や、利用者の状態が不安定な場合などに利用されます。

このように、介護予防小規模多機能型居宅介護は3つのサービスを組み合わせてサービスを提供するため、利用者や家族のニーズに柔軟に対応することが可能です。しかし、サービスの内容や利用方法は複雑であるため、詳しくは市区町村の窓口に相談することをおすすめします。

介護予防小規模多機能型居宅介護を利用する3つのメリット

介護予防小規模多機能型居宅介護は、住み慣れた地域で安心して複数の介護サービスを受けられるのが最大の魅力です。その他にも、利用者や家族にとって大きなメリットがいくつかあります。ここでは、介護予防小規模多機能型居宅介護のメリットを3つ紹介します。

「訪問」「通い」「宿泊」の支援が1つの事業所で利用可能

介護予防小規模多機能型居宅介護では、介護訪問(ホームヘルプ)、通所介護(デイサービス)、短期入所生活介護(ショートステイ)の3つのサービスを提供するのはすべて同一の事業所です。

それぞれのサービスを別々に契約する必要がないため、利用者や家族の手続きの手間が省けます。状況に応じて必要なサービスを柔軟に組み合わせて利用できるのも、大きな魅力の1つです。

顔なじみの職員が多いため、信頼関係が構築しやすい

介護予防小規模多機能型居宅介護では、同じ事業所の職員が訪問や通所、泊まりのサービスを担当します。そのため、利用者と職員の間に信頼関係が生まれやすく、安心してサービスを受けることができます。

また、職員が利用者の状況をよく理解しているので、その方に合った細やかなサポートが可能です。コミュニケーションが取りやすいのも、介護予防小規模多機能型居宅介護ならではのメリットと言えるでしょう。

家族にとっても、日常生活の困りごとを相談できる場所にもなるため、安心感が生まれます。

月額の料金が定額制

介護予防小規模多機能型居宅介護は、月額の料金が定額制です。利用した回数やサービスの内容等に応じて利用料が変わることはありません。

※おやつ代やその他の費用がかかった場合や、介護保険の利用限度額を超えた場合には、追加の費用が発生することもあります。

料金体系はやや複雑なので、契約の際にはしっかりと説明を受け、不明な点は市区町村の窓口で相談しましょう。

介護予防小規模多機能型居宅介護を利用する2つのデメリット

介護予防小規模多機能型居宅介護は、1つの事業所で訪問・通所・泊まりのサービスを総合的に受けられる利点がありますが、同時にデメリットも存在します。サービスを検討する際には、以下の2点に注意が必要です。

サービスを利用中は併用できないサービスがある

介護予防小規模多機能型居宅介護を利用中は、以下のサービスを同時に利用することはできません。

  • 訪問介護
  • デイケア
  • デイサービス
  • 訪問リハビリテーション
  • ショートステイ など

これらのサービスを併用したい場合は、介護予防小規模多機能型居宅介護以外のサービスを選択する必要があります。利用者や家族のニーズに合わせて、適切なサービスを選択することが大切です。

利用したい施設と同じ市区町村に住む人しか利用できない

介護予防小規模多機能型居宅介護は、利用したい施設と同じ市区町村に住所がある方しか利用できません。住所地以外の施設を利用したい場合は、他のサービスを検討する必要があります。

また、引っ越しなどで住所が変更になった場合、利用していた施設が利用できなくなる可能性もあります。事業所の所在地と居住地が離れる場合は、注意が必要です。

サービス利用を検討する際は、利用者や家族のニーズを見極め、メリット・デメリットを十分に理解した上で、適切なサービスを選択することが重要です。

サービスを利用するためには要支援1・2の認定を受ける

介護予防小規模多機能型居宅介護の利用を検討している方は、まず自身がサービスの対象となるかどうかを確認する必要があります。利用できるのは、要支援1または2と認定された方に限ります。

申請方法

  1. お住まいのある市区町村の介護保険担当窓口に相談します。
  2. 介護認定の申請を行います。
  3. 認定調査とかかりつけ医の意見書をもとに、要介護度が判定されます。
  4. 要支援1または2と認定された場合、介護予防小規模多機能型居宅介護の利用が可能です。
  5. ケアマネジャーと相談の上、利用したい事業所を選定し契約を結びます。

上記の流れは一例です。介護保険の申請方法や必要書類については、お住まいの市区町村によって異なる場合があるので、まずは介護保険担当者に相談してみましょう。

相談やお問い合わせは、窓口以外に、電話またはメールにも対応している場合があります。

利用者が負担する費用

介護予防小規模多機能型居宅介護の利用料は、月額定額制となっています。 具体的な金額は事業者によって異なりますが、1割負担の場合、月毎に支払う金額は約1万円が目安です。 

ただし、以下のような費用が別途必要となる場合があります。

  • 食費
  • 行事参加費
  • 送迎費 
  • その他の日常生活費

また、低所得者への配慮として、結果に応じた負担限度額が設けられています。詳細については、市区町村の窓口にお問い合わせください。

介護予防小規模多機能型居宅介護を選ぶ際のポイント

介護予防小規模多機能型居宅介護を選ぶ際には、様々な点に注意して比較検討することが重要です。ここでは、実際の施設を検討する際に基準となるポイントを4つ紹介します。

基本的なサービスの内容や提供時間

食事、入浴、排泄、移動などの支援内容が、自身のニーズに合っているか確認しましょう。また、リハビリテーションやレクリエーションの有無も確認しておくと良いでしょう。

利用時間や一日の流れもサービス提供事業所によって異なるため、確認しておきましょう。

施設環境やスタッフの雰囲気

施設の環境も、利用者にとっては重要なポイントです。清潔さや明るさ、広さなど、実際に足を運んで雰囲気を確認することが大切です。 施設によっては、見学だけでなくデイサービスの利用体験や、ショートステイの宿泊体験をさせてもらえるところもあります。

また、スタッフとの相性も重要です。 体験を通じて、スタッフとの関わりについても確認しましょう。

食事の内容

食事の提供がある場合は、メニューや食事形態、アレルギー対応など、食事に関する情報も確認しておきましょう。多くの施設で、和食を中心としたバランスの良いメニューが提供されています。

サービス提供事業所の場所

サービス提供事業所の所在地と自宅からの距離も確認しておきましょう。送迎で利用者に負担がかかりすぎないような配慮が必要です。また、緊急時にすぐに駆けつけることが出来る距離なのかという視点ももって確認しておきましょう。

介護予防小規模多機能型居宅介護を選ぶことは、本人にとっても家族にとっても大きな決断です。慎重に検討し、自分に合った施設を選びましょう。

~要介護状態になるのを防ぎ、健康で自立した日常生活を送りましょう~

介護予防小規模多機能型居宅介護は、要支援1または2の方が利用できるサービスです。一つの事業所との契約で、「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスを、柔軟に組み合わせて利用できるのが特徴です。

利用するためには、まずは要支援1または2の認定を受ける必要があります。市区町村の介護保険担当窓口で相談の上、申請手続きを進めましょう。また、 月額定額制のため、利用料の見通しが立てやすいというメリットもあります。

しかし、サービス利用中は併用できないサービスがあるほか、事業所の選択肢が限られるというデメリットもあります。サービス提供事業所を選ぶ際は慎重に行い、見学や体験利用を活用しましょう。

参考元:厚生労働省「小規模多機能型居介護宅」厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」厚生労働省「公的介護保険制度の現状と今後の役割」厚生労働省「介護保険制度の概要」

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